オンライン市場の拡大や消費者の購買習慣の変化に伴い、ネットショップを開業することは、現在のデジタルな世界でビジネスを始める魅力的な方法の一つです。しかし、ネットショップは実店舗とは異なり、魅力的な商品を並べるだけではお客様は自然に集まりません。ネットショップ開業後に予期せぬ失敗は他にもあります。
本記事では、そうした失敗例について解説をし、開業を成功させるためのコツをご紹介します。ネットショップの開業を予定している方や、ネットショップ開業後何が上手くいっていないのか分からない方はぜひ参考にしてみてください。
ネットショップ開業後につまずく失敗例4選
ネットショップを開業する際には、様々な失敗があります。ネットショップはショップの存在を知ってもらうハードルが実店舗に比べると高くなります。素敵な商品をショップに並べるだけでは、売上には繋がりません。
開業を成功させるために、代表的な失敗例について理解しておきましょう。
ネットショップの開業だけでは集客ができない
ネットショップを開業した多くの経営社や担当者が直面する最初の壁は、集客戦略の欠如です。取り扱っている商品がどんなに素敵な商品でも、お客様に見つけてもらえなければ、購入されることはありませんし売上を生むことはありません。
ネットショップにおいて売上を生むためには、積極的な集客が必要です。
実店舗であれば人通りの多い場所に開店すれば、ある程度人の目に留まり来店してもらえますが、ネットショップの場合は自発的にお客様に見つけてもらう必要があります。
リピーター顧客の確保ができない
ネットショップを成功させるためには、新規のお客様の確保だけではなく、継続して購入してくれるリピーターのお客様の確保も重要です。
新規のお客様の確保だけでは、売上を安定させることができず、失敗に終わってしまいます。
ネットショップは無数にあり実店舗とは異なり簡単に違うお店と比較することができるので、自分にあったお店を選びます。一度自分のネットショップで購入をしてもらっても、他のお店の商品に魅力を感じると、
お客様は流れてしまい、リピートして購入してもらえません。
集客を増やすために、初回購入限定のクーポンなどのサービスを用意したとしても、次回以降もお得に購入できるようなサービスを用意しなければ、お得に購入したいというお客様は他のお店の特典に惹かれてしまいます。お得に販売して購入してもらうようにすることは大切ですが、それだけだとお店の売上は伸びても利益は残らず、失敗してしまいます。
運営コストの見積が甘い
多くのネットショップ開業者は初期費用に注目をし、継続的なコストを見落としがちです。
ネットショップでは様々な手数料が発生し、売上に比べて利益が出ずらいという面があります。
発生する手数料は主に以下のようなものがあります。
・商品の発送料
・商品の梱包費用
・決済手数料
・プラットフォーム利用料
・Webホスティング料
・売上金の振込手数料
ネットショップにおける最終的な利益とは粗利益ではなく、営業利益になります。
営業利益 = 売上高−売上原価−運営費用−税金−利息−その他経費
ネットショップ運営に関わる手数料などの費用は運営費用に含まれます。
価格競争に勝つためにと販売価格を下げたり、クーポンやポイントといった特典を用意し、お客様を獲得することは重要です。しかし、費用計算を軽視したまま運営をしていると、利益が出ずに赤字になるリスクがあります。価格設定をする際には、利益が赤字にならないようにネットショップ運営に関わる経費を考慮した価格設定をする必要があります。
ネットショップに安心感や使いやすさが感じられない
ネットショップは実店舗とは違い、購入したらすぐに商品が手にできるわけではありません。
初めてのネットショップで買い物をするお客様は、特にネットショップに対して多くの不安を感じています。例えば、開業したばかりのネットショップは利用者が少なく、レビューが少ないことから、「商品は届くの?」「商品の品質は高い?」と不安になる人が多いです。既存のネットショップと比べて信頼性に欠けると感じられてしまえば、購入を躊躇する可能性が高くなります。
また、ネットショップに訪れたお客様は自分で商品を探し、購入手続きを行います。実店舗であれば店員さんが困った時にサポートすることができますが、ネットショップではリアルタイムでのサポートが難しいです。
そのため、あらかじめお客様が商品をスムーズに探せるようにWebサイトを構築したり、柔軟性のある決済方法を用意しておかなければ、せっかく訪れてくれたお客様は商品を購入せずに離脱してしまいます。
ネットショップ開業の失敗を成功に変える方法
ここまで、ネットショップ開業における代表的な失敗例について紹介してきました。次は失敗を成功に変えるための方法についてご紹介します。
ネットショップへの集客ルートを確保する
失敗例でも取り挙げたように、ネットショップを開業するだけではお客様は集まってきません。ネットショップはあくまで商品を購入するサイトなので、集客するためのルートを確保する必要があります。
集客する方法としておすすめなものは以下のようなものがあります。
・自然流入を狙うSEO対策
SEOとは検索エンジン最適化のことです。インターネットを利用しているユーザーが、Google等の検索エンジンで検索したときの検索結果画面にネットショップサイトや商品ページのURLを上位に表示させることをSEO対策といいます。
検索したユーザーは上に表示されたURLを閲覧する傾向があるため、検索キーワードをきっかけにしてネットショップへの集客を促します。
ユーザーの関心の高いキーワードから自然にネットショップや商品ページに誘導することができるので、購買意欲の高いユーザーを集客することが可能です。
SEO対策は結果が出るまでに数か月かかるため、即効性のある対策とは言えません。しかし、地道に積み重ねることで、広告等を利用せずに集客をすることができるため積極的に行いましょう。
・SNSの運用
X(旧Twitter)やInstagram、Tik Tokなどで商品の魅力を画像や動画で投稿することで、集客につながります。
SNSは無料で始めることができ、情報が拡散されやすいため、ネットショップのことを多くの人に知ってもらえるチャンスがあります。
定期的に投稿したり、ユーザーとのコミュニケーションを行う必要がありますが、費用を極力かけずに多くのユーザーへショップや商品の情報を伝えることができるのが、メリットです。
・広告の出稿
Webサイトの広告枠に画像や動画などを表示するディスプレイ広告や検索結果画面の広告枠に表示するリスティング広告などがあります。
広告出稿はSEO対策やSNS運用に比べると費用がかかるデメリットがありますが、短期間で集客することができるのがメリットです。
広告には様々な種類があり、広告を表示するユーザーやキーワードを絞り込み、商品の情報を伝えたいターゲットユーザーに伝えやすいというメリットもあります。
楽天市場やAmazonといったECモールで出店をすれば、各モールで優位に集客ができる広告やInstagram広告などのSNS広告はECモールの広告に比べると安価に始めることができる広告もあるため、SEO対策やSNS運用と並行して行いたい集客方法です。
・インフルエンサーの活用
InstagramやTik Tokのインフルエンサーに依頼をしてネットショップや商品を紹介してもらう集客方法です。
インフルエンサーの規模によって費用は変動しますが、自社の商品と親和性の高いインフルエンサーに依頼することで、多くの集客を期待することができます。
安心でき使いやすいサイト構築
インターネットで買い物をするお客様は初めて利用するネットショップに対して多くの不安を抱いので、安心できるネットショップを心掛ける事が重要です。
安心できるネットショップはリピーター顧客の増加にもつながります。
安心できるネットショップにするポイント
・会社情報の記載
・商品情報の充実
・配送や返品に関するポリシーの明記
・FAQセクションの設置
上記のような内容をネットショップに記載しておくことで、しっかり対応してもらそうという印象をお客様に与えることができ、安心してもらいやすくなります。
また、ネットショップの軌跡や商品に関するエピソード等も掲載することで、ネットショップに愛着が湧き、リピーター顧客として長く利用してもらうことも期待できます。
安心感を与えるような内容を記載したら、次は使いやすいようなサイトに構築をしていきましょう。
使いやすいネットショップにするポイント
・検索ボックスを見つけやすい場所に設置する
・ボタンは分かりやすく、文字は見えやすくする
・スマートフォンやタブレットに対応させる
・見やすい配色にする
お客様がネットショップに訪れた後に、すぐに商品を検索できるように検索ボックスを設置する必要があります。
ストレスを感じないように、文字のサイズや配色、ボタンなどの要素の設置にも注意が必要です。
また、ネットショップを利用するユーザーはスマートフォンからの利用も多いため、PCだけではなくどの端末からでも利用しやすいように設計をする必要があります。
利益を生むための商品設計とシミュレーションを行う
ネットショップ開業の成功のためには集客が大事と述べましたが、売上を作るためには商品力がないといけません。
取り扱っている商品が「誰に」「いつ」「どこで」「どのように」商品を利用するのか分析を行いましょう。分析の手法でよく利用されるのは、SWOT分析や5F分析、PEST分析などがあります。市場や競合他社様がどのような商品を取り扱っているのか分析し、改めて取り扱っている商品を分析し、商品力が弱いということが分かれば、改善や商品開発を検討するなど対策を考えることができます。
また、失敗例でも取り挙げたように、ネットショップでは様々な手数料などがかかり、商品設計や価格設定を蔑ろにすると利益がほとんど残らないビジネスになります。
商品分析や設計が終わったらあとは、どのくらいの価格で売ることで利益が出るのかシミュレーションを行います。店舗に関わる経費を洗い出し、シミュレーションを行うことで綿密な設計を行うことができます。
ネットショップ運営に係る経費例
・人件費
・資材費
・送料などの手数料
・広告費
・Webサイト維持費
・クーポンやポイントの販促費 など
まとめ
本記事では、ネットショップ開業後に起こりがちな失敗例と成功させるための方法についてご紹介しました。
素敵な商品を取り扱っていても、それ以外の集客などを軽視してしまうと、売上は伸びませんし、ファンも増えていきません。
ネットショップで売上を伸ばすために、今回ご紹介した失敗例を改善していただければと思います。
今回ご紹介した失敗例や成功方法については他の記事でもご紹介しています。ぜひ参考にご覧ください。
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