薬機法に基づく化粧品の「無添加」表現を徹底解説!

こんにちは、マクロジの中島です。

肌に優しい化粧品のイメージが定着しているのが「無添加化粧品」です。

美容やスキンケアに対する意識が高まる中、「無添加」という表現は特定の成分を製品から排除することで安全性を強調する手段として広く用いられています。

しかしこのような表現には、薬機法に基づくルールが存在します。
本記事では、化粧品における「無添加」の表示に関する薬機法上の注意点を解説します。

無添加の定義

無添加とは、特定の添加物が入っていないという意味であり、無添加と記載されていれば添加物が何も入っていないというわけではないのです。また、この成分が入っていなければ無添加化粧品である、といった明確な定義というものはありません。

メーカーはそれぞれが指定している「特定の成分を排除している」と強調したい商品に「無添加」と記載しています。特定の成分は、一般的に肌に刺激を与えたり、アレルギー反応を引き起こしやすいと考えられているものです。しかし、どの成分が具体的に排除されているかはメーカーごとに異なります。

例えば、A社が「無添加」と主張する製品において特定の成分が排除されているとしても、同様の表現をするB社の製品には別の成分が該当する可能性があります。そのため「無添加」の基準は絶対的なものではなく、メーカーのポリシーや評価基準に依存しています。

無添加の代表的な成分

エタノール

エタノールを含まない製品には「ノンアルコール(ノンエタノール)」などの表記ができます。

香料・着色剤

「無香料」「無着色」や「香料不使用」「着色剤不使用」と表記ができます。香料や着色剤を使用していなくても、ほかの成分により明らかに香りや色がついている商品の場合「消費者に誤解を与えないよう注意する必要がある」と定められています。

パラベン

防腐剤としてよく使用されているパラベン(パラオキシ安息香酸エステル)を含まない場合は、「パラベン無添加」「パラベンフリー」となります。

鉱物油

オイルには、動物性油、植物性油、鉱物油があります。鉱物油とは、石油を原料として合成・生成されたオイルのことで、鉱物油を含まない場合「無鉱物油」「鉱物油フリー」などの記載が可能です。

無添加の表現ルール

以下は「無添加」表現を行う際の注意点です。

具体的な成分の明示

製品が何を指して「無添加」なのか、その明確な定義が必要です。

よく見かける表現として、商品ページ内で「〇〇無添加」の〇〇を視認性が悪い小さいフォントで表示したり、無添加だけを目立たせてファーストビューに設置したりされています。これらは何が無添加なのかをページ内で表示していたとしても消費者に誤解を与える表現なので注意が必要です。

安全性を示唆しない表現

「無添加」の表示が、製品の安全性や効果を保証するものではないことを理解させる必要があります。
安心や安全といった言葉は避け、単に特定の成分が使用されていない旨を伝えることが必要です。

透明性と信頼性

消費者は成分情報や企業の透明性を重視しています。成分表や製品に関する詳細な情報を提供することで、企業の信頼性を高めることができます。

以上の要点を考慮することで、「無添加」などの表現を効果的かつ法令順守の範囲内で活用し、製品の特長を適切に伝えることができます。

Q&A これはOK表現?NG表現?

ここからは当社でもよくご質問いただく表現について解説いたします。

Q:「香料不使用だから安心の美容液です。」という表現は可能でしょうか?

A:化粧品の表示には安全性を保証するような表現は禁止されています。単に指定成分や香料を含有していないことを述べるのであれば問題ありません。

Q:「肌トラブルを招くパラベンは使用しておりません。」という表現は可能でしょうか?

A:パラベンや着色剤を含有している他社製品は肌に優しくない、肌トラブルを招くと暗に誹謗していることになるため、表現として不適切です。このように消費者に肌トラブルの原因の成分と誤解させたり、他社を比較・誹謗したりする表現は不可となります。

Q:「着色剤無添加の化粧水です。」という表現は可能でしょうか?

A:事実のみを伝えているので、問題ありません。無添加に関わる表現はあくまでも見せ方として、入っていないという情報を伝える程度に留めることが条件で、その他の情報は一切入れてはいけないと考えてください。

まとめ

・無添加とは「特定の成分を排除している」と強調したい商品に記載している。

・無添加と記載するには、「何が」無添加なのかを明確に記載する必要性がある。

・無添加に関わる表現はあくまでも、入っていないという情報を伝える程度に留めることが必要。

・化粧品の表示では「〇〇無添加だから安心、安全」という表現は安全性の保証になるためNG。

参考:https://bentenmarket.com/blogs/bathsalts-sweating

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最後までお読みいただきありがとうございます。

広告表現は表示の受け手である「一般消費者」にどう捉えられるかが争点となりますので、以前はOKだった表現が時代の流れと共にNGとなることもあります。また、見る人が変わればOKだと思われる表現もNGになる可能性も。誰が見ても正しく伝わる表現を意識し、常にアンテナをはって正しい知識を持つことや、プロの見解も交えながら訴求することで、お客様が安心してお買い物できる環境となり、企業も守ることになります。

皆で正しい広告表現を目指していきましょう!

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