今やインターネットは私たちの生活に欠かせないものとなり、ECサイトはその中心的存在です。商品やサービスをオンラインで提供するECサイトは、スタートアップから大手企業まで幅広い業種で利用されています。しかし、ECサイトをゼロから構築することは、多くの時間とコストがかかる大規模なプロジェクトです。そこで、ASP（Application Service Provider）を活用したECサイト構築が注目を集めています。この記事では、ECサイトの概要からASP型とパッケージ型のメリット・デメリットや主な国内サービス、それぞれの比較等あなたがECサイト構築を検討する際の参考になる情報を提供します。
ECサイトの構築方法
ECサイトの構築方法には大きく分けて2つのアプローチがあります。１つ目は、全てを一から自分たちで設計し、開発するオリジナル構築。二つ目は、ASPやパッケージを利用して構築する方法です。この記事では主にASPとパッケージ利用の特徴やメリットについて主にご紹介します。
ASP型とは
ASP型ECサイト構築サービスは、インターネット上で提供されるサービスプラットフォームを使用して、簡単かつ迅速にECサイトを立ち上げることができるサービスです。サーバーの管理やソフトウェアの更新など、技術的な面倒をサービスプロバイダが担当します。
ASP型の主要な特徴
●初期投資の削減
物理的なサーバーやインフラストラクチャへの投資が不要で、比較的低コストでECサイトを立ち上げることが可能です。
●迅速な立ち上げ
プラットフォームが提供するテンプレートやデザインツールを使用して、素早くサイトを構築できます。
●メンテナンスの簡素化
サーバーの保守やセキュリティ対策、ソフトウェアのアップデートなどはプロバイダが行うため、運用が容易です。
●スケーラビリティ
トラフィックの増減に応じてリソースを柔軟に調整でき、ビジネスの成長に合わせて簡単に拡張できます。
ASP型の注意点
- ・カスタマイズの自由度に制限がある場合があります。
- ・長期的に見ると、利用料金が高くつくことがあります。
国内の主なASPカートサービス
日本国内には数多くのASPカートサービスが存在し、それぞれが独自の特徴を持っています。この記事では、国内で注目を集める主要なASPカートサービスをいくつか紹介し、それぞれのサービスがどのようなビジネスに適しているのかを解説します。
BASE（ベイス）
BASEは、手数料無料で始められるサービスとして知られています。ユーザーはデザインのカスタマイズをそれなりに行うことができ、小規模から中規模のビジネスに最適なサービスと言えるでしょう。初心者でも簡単にオンラインショップを開設できるユーザビリティの高さが魅力です。
カラーミーショップ
カラーミーショップは、豊富なデザインテンプレートと高いカスタマイズ性が特徴です。また、細かい販売戦略を立てたい中規模以上のビジネスに適しており、マーケティングツールも充実しています。手厚いサポート体制も強みの一つです。
https://shop-pro.jp/
ショップサーブ
ショップサーブは、業界内でも高機能で知られるASPカートサービスです。豊富な機能を持ちながらも、直感的な操作性を実現しており、小規模事業者から大規模企業まで幅広く利用されています。特に、複数の店舗運営を考えている事業者におすすめです。
MakeShop（メイクショップ）
MakeShopは、日本だけでなく韓国でも多くのユーザーを持つ国際的なサービスです。多言語対応が可能で、海外進出を考えている企業にとって有力な選択肢となるでしょう。また、SEO対策機能も優れており、検索エンジンでの可視性を高めたい事業者には最適です。
https://www.makeshop.jp/main/lp/
Futureshop（フューチャーショップ）
Futureshopは、大規模なECサイトに特化したサービスを提供しています。高度なカスタマイズが可能で、大量の商品や複雑な物流を管理したいビジネスに適しています。さらに、ERPやCRMとの連携もスムーズで、ビジネスのスケールアップを支える強力な機能を備えています。
パッケージ型とは
パッケージ型は、ECサイト構築に必要な機能を一式備えたソフトウェアを購入し、自社のサーバーにインストールして運用する方法です。カスタマイズ性の高さが魅力です。
パッケージ型の主要な特徴
●高度なカスタマイズ
ビジネスのニーズに応じてサイトのデザインや機能を自由にカスタマイズできます。
●一度の投資
ソフトウェアを購入すると、それを永続的に使用でき、定期的な利用料がかかりません（ただし、サポートやアップデートには別途費用が発生する場合があります）。
●完全なコントロール
サーバーとデータを自社で管理するため、セキュリティやデータ保護に関して高いレベルのコントロールを持てます。
パッケージ型の注意点
- ・初期投資が高額になることがあります。
- ・技術的な知識が必要で、サーバーのメンテナンスやソフトウェアの更新など、運用に専門
国内の主なパッケージ型カートサービス
日本で利用されている主要なパッケージ型カートサービスを紹介し、それぞれのサービスがどのような特徴を持つかを解説します。
EC-CUBE
EC-CUBEは、国内で広く利用されているオープンソースのEC構築プラットフォームです。高いカスタマイズ性が求められる中規模から大規模のオンラインストアに適しており、日本独特のEC要件に対応するための多彩な機能を提供しています。また、活発なコミュニティによるサポートも魅力の一つです。
Magento（マジェント）
Magentoは世界的に知られるパッケージ型ECプラットフォームで、その高い拡張性と柔軟性から多くの日本企業にも採用されています。大量の商品を取り扱う大規模なECサイトや、グローバル市場を視野に入れたビジネスに最適です。
Zen Cart
Zen Cartは、使いやすさと機能の豊富さで小規模から中規模のビジネスに人気のあるオープンソースソフトウェアです。初期費用を抑えつつ、豊富な機能を利用して独自のオンラインショップを構築することができます。
カゴヤのショッピングカート
カゴヤのショッピングカートは、日本のホスティングサービス大手が提供するサービスで、安定した運用と国内の法規制に準拠したサービスを提供しています。初心者でも扱いやすい管理画面と、必要な機能を網羅していることから、スモールビジネスに適しています。
それぞれの特徴、メリットまとめ
| 特徴 | ASP型 | パッケージ型 |
| 初期投資 | 低い（サーバーやインフラの投資不要） | 高い（ソフトウェア購入と自社サーバーの設置が必要） |
| カスタマイズ性 | 限定的（プラットフォームの提供範囲内） | 高い（ほぼ無制限のカスタマイズが可能） |
| 技術的な知識 | 最小限または不要 | 必要（サーバー管理、ソフトウェアのカスタマイズ等） |
| メンテナンス・管理 | サービスプロバイダが担当 | 自社で全責任を持つ |
| スケーラビリティ | プロバイダに依存するが、通常は柔軟に対応 | 自社でのリソース管理に依存 |
| 運用コスト | 月額や年額の利用料が発生 | 初期投資後の追加費用が少ない |
| セキュリティー | プロバイダのポリシーに依存 | 完全なコントロールが可能 |
| 管理 | プロバイダのポリシーに依存 | 自社でのリソース管理に依存 |
ASP型とパッケージ型、どちらを選ぶのが良いか？
ECサイト構築に不慣れなユーザーの場合、ASP型を選択することが一般的に推奨されます。その理由は以下の通りです。
●技術的な知識が少なくて済む
ASPサービスは、サーバー設定、メンテナンス、セキュリティ対策などの技術的な管理をプロバイダーが担うため、ユーザーは技術的な知識が少なくてもECサイトを運用できます。
●迅速な立ち上げが可能
ASPは、テンプレートやウィザード形式のセットアップツールを提供していることが多く、短期間でECサイトを立ち上げることができます。これは、市場への迅速な参入を目指す場合に特に有利です。
●初期投資が少ない
ASPサービスは、通常、初期投資が少なく設定されています。高額なサーバー機器やソフトウェアのライセンスを購入する必要がなく、固定の月額料金でサービスを利用できるため、コストを抑えてスタートすることができます。
●サポート体制
多くのASPサービスには、ユーザーサポートやテクニカルサポートが含まれています。運用中に問題が生じた場合でも、プロフェッショナルなサポートを受けることができるため、安心して運用を続けることができます。
●スケーラビリティ
ビジネスが成長し、サイトのトラフィックが増加しても、ASPサービスではリソースの追加や拡張が柔軟に行えます。これにより、サイトの成長に合わせて容易にスケールアップできるメリットがあります。
ただし、ASPサービスではカスタマイズの自由度が限られる場合がありますので、特定のニーズや独自性を強く求める場合は、この点を考慮する必要があります。しかし全般的に、技術的な知識が限られている、または迅速に市場に参入したい場合には、ASPが適切な選択肢となります。
まとめ
ECサイト構築は、ただ単に商品をオンラインで販売する以上の意味を持ちます。それは顧客体験を形作り、ブランドの信頼性を築き、市場での競争力を高めるプロセスです。ASPとパッケージ型の両方にはそれぞれのメリットとデメリットがあり、最終的な選択はビジネスの独自の目標と要件に基づいて行うべきです。テクノロジーが進化し続ける中で、柔軟性を持ちながらも、安定した基盤の上にECサイトを構築することが、持続可能なビジネスの鍵となります。
ECサイト構築についてお悩みの店舗様は、ぜひお気軽にご相談ください。
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